i-DSI 1.5 Engine Swaps & High-Lift Camshaft (LS Extra)

Engine Swaps & High Lift Camshaft (LS Extra)

ひょんなことからモビリオの i-DSI 1.5 エンジンを入手。
今年(2003年)の登録数ヶ月ほどの車両で事故車等に積まれていたエンジンじゃなく、しかも6000キロも走っていないトビキリの極上モノ。
もちろん焼きつきやなんらかの不具合が発生していたエンジンではなく、まったく正常なエンジンです。
(決して霊が憑いてるとかの曰くつきでもありません)。
こんな上玉のエンジンがまさか手に入るとは思ってもみませんでした。

これが1.5フィットに積まれているVTECエンジンなら、あまり興味をそそられるものではありませんでした。
というのも単にVTECへ積み替えるならDIYしても面白みがまったくないですし、それ以前に乗り換えれば済む話です。
なぜに諸所のリスク&苦労するのにわざわざ i-DSI 1.5 へ積み換えるのか。

ここでお気づきになる方はいらっしゃるでしょうか。
国内仕様のフィットはおろか、海外何十ヶ国と輸出されてるJAZZにも i-DSI 1.5 エンジンは搭載されていないんです。(フィットボディーで。)
世界で1台のフィットが偶然にも作れるチャンスだということに気が付いて、これはDIY魂ウズウズ、やらずにはおられません。
(って積み替え完了後わずか2日にしてタイ向けのみ来年(2004)のマイナーでこのエンジンが搭載されるJAZZ(FIT)がリリースされるという情報を掴んでしまいましたが・・・。号泣)

あと、ラストステーションがリリースしているi-DSI 1.3用のハイカム(LS Extra)がそのまま使えます。
純正のi-DSI 1.3・i-DSI 1.5両者のノーマルカムのプロフィールがほとんど同一と言っていいほど変わらないので、載せ替えと同時に組んでいたハイカムを移植。
これでかろうじて世界に1台っす。(爆)

  • エンジンスワップ
i-DSI 1.5 モビリオエンジン

今回入手した走行6000キロ弱のモビリオ i-DSI 1.5 エンジン。

エンジン本体にインマニとインジェクター、エキマニが付属されていました。
消耗品や足らない部品を揃えて積み替えます。
その前にフィットへ載せるにあたりなんらかの加工が必要なのかどうか調べるのに大量の時間を費やしました。

鏡面カムカバー。

単に載せ換えるだけでは面白くないのでカムカバーを鏡面仕上げ。

梨地の表面を粗目のペーパーから順を追って最後はバフがけ。
鏡面仕上げには程遠いですがかなりピカピカになりました。
入りくんだ細かいところまでは綺麗にできませんでしたが、血豆をつくり1週間磨き続けた苦労を考えると上出来でしょうか。
ちなみにアルミに鋳鉄が混じっています。

作業ちう。

板金工場の片隅を借りて載せ換えました。
(あと専用工具や知識&技術、コツなども。)

下調べでエンジンはまったくの”ポン付け”ができることが分かりました。
エンジンとミッションのドッキング部分やエンジンマウント部を作る必要があるならば載せ替えは断念していたところです。
エンジンをばらしてクランク等を組替えるならDIYできなかったですし、コストも跳ね上がりますから。

スッカラカン。

エンジン・ミッションは下から降ろします。
外したボルトや細かいパーツ群をなくさないように管理・把握しながらの作業はやはり大変!。
一気に降ろして一気に積まないと忘れてしまいます。(爆)
定番のエンジンルーム内に入っての記念撮影は気が焦っていたので撮り忘れてしまいました・・・。
この2日後には湾岸オフが控えていましたし、なによりクルマが無いことをお袋に悟られないように時間との勝負でしたから。(笑)

よく回るエンジンでした。

トップスピードは200キロをマークした、走行33000キロのハイカム入りエンジン。
これからが本調子といった絶好調のエンジンでしたが、今までお世話になりました。

右がCVTミッションです。
結構大きいですよ〜。

ちょっともったいない・・・。

まだまだ綺麗ですし走行も少ないのでなんだかもったいないです。

並べて焦りまくった瞬間でした。

単純な方法でのストロークアップということはシリンダーが長いんです。
エンジンマウント位置は一緒で、単純に15mmほどシリンダーが長いです。ボア径は一緒です。(73ハイ)
あとオルタネータの取り付け位置も違いますが、問題なくクリアできます。 (オルタは1.3から移植。)

ハイカム入れ替え。

さぁ〜て、これまで組んでいたハイカムを移植します。

エンジンをイジルのは初めての経験ですが、
でっきるっかな・でっきるっかな〜♪
ハテハテホッホォ〜〜〜♪。

てこずり中にパチリ。

中途半端な画像ですが、ハイカムの組み付け。ロッカーアームASSYをこの後取り付けます。一番苦労しました。
締め付けトルク・ギャップ調整、単純なSOHCですし、以前LS Extraの組み込みを見ていたのでやってみると意外と・・・てこずりました。(テンショナーの板バネで強力にチェーンが張られているので、カムを抜いたあとスプロケが少しでもズレると・・・最悪です。)

エキマニの遮熱板は、
『漢は黙ってエントツ塗装』で塗ってます。

合体ぃ〜。

ミッションと合体の図。

ここまでの所要時間は8時間といったところでしょうか。

vtec1.5スロ。

スロットルが無かったのでVTEC1.5用のスロットルボディーを手配しました。

というのもバタフライ径がi-DSI 1.3は45ハイ、VTEC1.5は50パイと大きいので、確実に大きいと分かっていたスロットルを。
i-DSI1.5のバタフライ径も50パイかな?と思いますが結局最後まで確認することができなかったので。
(アリア1.5 (iDSIエンジン) は50パイ確認済み)
もちろんこのスロットルもバタフライが水平になるように『気持ち加工』を施しました。

飛び出ちゃ〜ダメダメ。

1.3の方は矢印の部分が飛び出ています。(IN側)

この後VTECスロットルを取り付けて嵌りました・・・。
PGM-FI警告灯が点灯し、アイドリングが安定せず、その状態からシフトをDやRなどへ駆動がかかるとガクガクとエンスト。走り始めると問題なしでしたが。
(警告灯はつきっぱなしです。)

カプラーの繋ぎ忘れなどの確認作業等の原因究明で半日も費やすことに・・・。

スロットルポジションセンサー。

ということでスロットルポジションセンサー(下の物)を移植しました。単純に内部抵抗値が違うんだそうです。
センサーの形状とセンサーに書かれている品番?がまったく同一だったので単純な思い込みで意表を突かれました。
(焦りまくりで時間かかった〜。)

色気を出さず、純粋にモビリオ用を手配すればよかったです。桜の花びら型をしたトルクスネジで留まっています。
スロポジをイジルときは慎重に。微妙にズレるだけでもアウトっす。

BOXプラプラ。

シリンダーの長さが1.3より15mm程長いので、必然的にスロットルの位置も15mmほど上がっています。
それに伴いエアクリBOXの矢印の箇所を留めているボルトのステーの高さが15mmほど足らないです。
そのままエアクリBOXを取り付けると斜めになってしまうので、ステーをモビリオ用へ変更。

反対側にあるもう一ヶ所のBOX取り付け位置はまったく問題なし。

ステー交換。

上がモビリオ用ステー、下が交換する1.3のステー。

シリンダーが1.3より長い分、その影響で唯一交換が必要になった部品です。

エアクリカバー。

以前、一時期取り付けていたモビリオ用エアクリカバー。
モビリオエンジンへ換装したのでカバーもフィットよりもモッコリタイプのモビ用を取り付けましたが、ボンネット裏のインシュレーターと干渉するので背の低いフィット用に戻しました。
1.5フィットも1.3と同一の背の低いカバーが使われているので、モビ用じゃなくても性能へ大きな影響はないだろうと判断したため。
ちなみにエアクリBOXやエアフィルターはモビリオやスパイク・フィット1.5・1.3は同一です。でもまだ少し干渉してますが・・・。

ちょっと話が前後しますがエンジンポン付け後、エンジンオイル・クーラント(冷却水)・CVTオイルを入れて載せ替え完了です。

1分弱ほどクランキングを続けた後、燃圧を掛けていざエンジンに火を入れます。
ドキドキの瞬間ですがやったぁ〜!!。なんと一発始動でした。
ってあたりまえっすねぇ。
なんせ『ポン付け』ですから。(笑)
でもかなりバラバラにばらしましたので、正直エンジンがかかるか不安でした。

クーラントの空気抜きですが、車体のフロント側を思いっきりリジットラック(ウマ)等で上げてラジエターキャップから入れました。
フィットは空気抜きのためのバルブが無いんです。
そのため、ラジエターキャップより上部に位置するクーラントが流動する配管内等には空気が入ったままになってしまいます。
水平状態では単にラジエターへ補充できる2Lほどしか入れることができません。
エンジン脱着作業でまだ一回もエンジンを回していないときはもちろんウォーターポンプも作動していませんのでこの配管内にも空気が入っています。(もちろんシリンダーブロック内にも。)
ヒーター全開の暖気後、エンジンオフで冷えるまで放置し再度補充です。

CVTオイルはレベルゲージ挿入穴(向かって右手前)から充填。
COLD・HOTとゲージに記述がありますのでこちらもしばらく走行後、再度ゲージを確認し足りなかったら補充。
また、エンジンオイルエレメントですが日産の物と共通なんです。
というかネジピッチやOリングの口径、容量が合えばどれつかってもいいんだそうです。(笑)

あとはセッティングをとるだけですが、1.3ECUでi-DSI 1.5にハイカムポン付けでも走行は可能。
高負荷の長時間全開走行はセッティングしないとさすがにヤバイと思いますが、街乗り程度ではなんらエンジンに異常は感じられませんでした。
(↑あくまでショップへ移動する1時間ほどの判断ですよ。)
積んだだけでも即刻違いがわかりましたので、つい嬉しくてかなり飛ばして、セッティングをとってもらいにお世話になってるカーショップF1へ。

チューニングしつづけて20数年。
どっぷりチューニング界の職人系老舗ショップ、
カーショップF-1

フロントパイプに空燃比計を取り付けて、サブコンでセッティングを出します。

e-manage用インジェクターハーネス。

ECUは1.3のままですので、エアフロセンサー信号を利用した燃料増量には限界があるかもしれないということで、確実に増量できるインジェクター信号を利用する方法をとりました。

その場合に必要になるe-manage専用のインジェクターハーネス。

サブコンセッティングプログラム変更。

インジェクター信号等を接続してサブコンへ。

サブコンの燃料マップ等を書き換えるためにノートパソコンとリンク。

シャシダイ上のセッティング風景。

ここからはラストステーションがリリースしているサブコンの現車合わせやハイカムのLS Extraの組み付けと同様のセッティング風景。

クリックで動画。(シャシダイ動画ばっかりでスマソ。)
左クリックで”対象を保存” してからご覧下さい。
(横切ってる兄ぃ〜ちゃんは他のお客さん。)

しかしシャシダイ似合わんなぁ。

    現在(03/12)トラストのe-manageでインジェクターハーネスを使ったフィットの燃料増量の方法ですが、実際はしっかり増量されていてもエラーコードが表示されます。
    ソフトがこの方法ではまだフィットに対応していないとのことで、トラストにソフトのバージョンアップを依頼しました。

  • 最後に
クリップなどなど。

最後にハーネス等の取り外しで破損・損失・再利用できないクリップ関係を手配しました。

実走行に直接関係無くても固定されているべきところがプラプラでは精神衛生上よろしくないですから。

ということで簡単ポン付け効果バツグンDIY終了!。
ポン付けでもかなり大変でしたが・・・。
車検はエンジン型式が変わるので変更しましょう。
(また1.3へ戻すのはやりたくないので。)
見た目が一緒なので黙ってたら分からないっしょ〜とそのまま通さないように。(爆)

改造車検

これから同じDIYをされる方がいらっしゃるかもしれませんので、その方のお楽しみのためにインプレは控えます。

でも一言だけ。

ますます買い物速いっす〜〜〜。

  • 番外編
スタビライザー
04スタビ。

エンジン積み替えのついでに04モデルのスタビへ交換。

MODEL 線径 価格
初期型1.3 18mm 3700円
03モデル1.5T 21mm

4000円

04モデル 22mm 4300円
     
モビリオ&スパイク 22mmでした。 5000円
曲げ角度が少し違う。

04モデルは前回交換していた03の1.5Tスタビと比べると線径が1mm太くなり22ハイになってます。
また矢印の部分の曲げ角度が微妙に違います。
足回りの重要部品ですからこの曲げ角度の違いが、ねじれた時にドライブシャフトやサブフレームに干渉しないか気になっていましたが、せっかくサブフレーム外しているのでついでにイッてまえということで交換。
各部への干渉等の問題もなくポン付けでした。
装着にあたり線径が太いので04スタビ用のブッシュ2個(1個300円)が必要です。ブッシュホルダーは02・03・04フィット&モビリオ・スパイクと共通品番で同一です。

たった1mmの違いですが街乗りでも硬いというのが分かります。
ロール量もますます減少され、ドレスアップ目的の足、Ti2000のダウンサスがコーナーではスポーツサス並みの踏ん張りに感じられます。(ちょっと極端ですが。笑)

足回りのブッシュ関係ですが、現在モデルよりも初期型(02モデル)の方が硬度のあるブッシュが採用されている箇所もありますし、逆に初期の方が柔らかい箇所もあります。
また純正ショックやスプリングは初期モデルの方が減衰力やスプリングレートは高いようです。
(数値的には微妙ですが。)

サーキットをガンガン走る人には物足りませんが、街乗りも考えると比較的柔らかめの足をブッシュで締め上げ、スタビでロールコントロールするのが個人的には好きな足回りです。

 

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