Inhalation efficiency
(吸入効率)

Inhalation efficiency (吸入効率)

最近のHONDA車では「ヘタにイジれない。」と言われている吸気系を格上グレードの純正パーツを使用していじってみました。

例えばType-Rのエンジンは吸気系・エンジン本体・排気系のワンセットでかなりシビアに高出力化の設計がなされています。
一昔まえのレーシングエンジン以上の出力を叩き出しています。
エンジンパーツのカムはいわゆるハイカムで昔ならメカチューン時に使用するリフト量があります。
カムだけ見てもすでにメーカーがチューニングエンジンを搭載してリリースしていることがわかります。
レーシングエンジン並の高出力エンジンの性能を最大限に発揮し生かすのは吸気と排気。
そのうちのどれか一つでもイジルと出力特性が極端に変わります。
このあたりのメカに興味がある方には「無限の専用本」が勉強になり詳しく載っています。(タイトルは忘れました。)

フィットは別の意味でチューニングエンジンだと思います。
リッターあたり23キロの燃費を大々的に歌って世界販売しているだけのことはあります。
ツインプラグ採用でそれぞれ点火時期がアクセル開度やエンジン回転数で微妙に変化しますし、エンジン本体の各パーツのクリアランス精度も他社車よりかなり高いです。
またエンジン以外のところにも細かく必要な熱対策設計がなされています。
(フロントバンパー下部の開口部やエンジンカバー?(i-DSIのプレートがついているカバー、インマニ冷却の効果があります。)はエンジンルーム内の冷却に一役かっています。)

排気系であんなに短いリアピースのみのマフラー交換で低速スカスカで高回転域だけ元気がいい、または低中回転域ではトルクアップしているが高回転が回らないなど、排圧をイジルだけでエンジン特性が極端に変わるのにはびっくりしました。
(ま、現在は抜く重視のターボ車と同じストレート構造のマフラーがNAでも流行しているので仕方が無いのかも。)
某ポン付けで○馬力あがるマフラーはノーマルマフラーよりも排圧を上げて街中常用回転数あたりの乗りやすさを重視しています。
その代わり高回転域を犠牲にしている思い切りのよさ。
極端にいうとノーマルを境に糞詰まり(パイプ径を絞る、隔壁追加など。)にすると低中回転域トルクアップで街中は非常にトルクフルで乗りやすい。
抜けをよく(パイプ径の拡大やストレート構造など。)すると高回転域ではレスポンスアップや馬力の向上があるが低中回転域ではトルクが細りスカスカ。
現在でもオールマイティーにトルクや馬力アップは過吸器無しのNAではマフラー交換のみでは難しいですね。

吸気系のいわゆるキノコは、ノーマルターボ車なら吸気抵抗を減らしてブーストの立ち上がりをすばやく、タービン交換なら大量の空気を一気に必要とするので必然的に表面積の広い剥き出しタイプのキノコが必要になります。
もちろんエアフロやスロットルボディーの拡大、またはエアフロレス仕様でより抵抗が少なく等々ここまでやるとプログラムの再セッティングが必須なチューニングですが。

ターボ車専用パーツだったキノコが最近の流行でNAにまでリリースされています。
NAで単純にキノコにするとまずエンジンの熱をモロに吸ってしまいます。
また、走行中でもラジエターの後方に配置されていますからラジエター通過後の熱風を吸うことになります。
ターボ車ならインタークーラーで吸入エアーを冷却するのでフレッシュエア導入ぐらいでもいいかもしれませんが、NAの場合はエンジンルーム内の熱を吸わないように徹底的に作りこむ必要があります。
吸気温度によって点火時期を遅らせたり早めたり等ECUで制御されるので場合によったら馬力やトルクの低下につながります。(もちろんこれ以外の複数のセンサー情報も加味してですが。)
また、吸気温度が高いということは空気密度が低い(酸素量が少ない。)のでパワーがでません。
真夏と真冬ではトルク・パワーがぜんぜん違います。
(昔、大雑把にターボ車では1度吸入温度を下げると1馬力上がると言われていました。)

また、NAにはエア溜まりが必要です。
詳しい理論などは知りませんが、吸気に遮蔽板等があるBOX形状による抵抗を設け、吸気脈動を発生させ流速変動による負圧を利用してシリンダー内に吸入空気を圧縮して充填しています。
広いところから細いところ(抵抗)を流体が通過するときは流速が速まります。
(ベンチュリー効果と言うらしい。難しいです。オタクです。)
もちろん純正エアクリBOXは吸入空気の消音が前提になっていますが、このエア溜まりの機能も兼ねています。
単純にエアクリBOXをなくしストレート構造にすると、低速トルクが細り高回転型のエンジン特性に変化しますが、250キロ(フィットは180弱ですが。)オーバーの最高速勝負よりそれまでの踏んで抜いて踏んで抜いての中間加速勝負の方が楽しく一番重要だと思うのでこのエアクリBOXは外せないでしょう。
ちなみにソレックスのキャブ仕様の場合はエアファンネルのキャブに行く筒の部分を長くすると低中回転域のトルク・パワーアップ仕様、ファンネルだけの場合は高回転仕様でした。
(キャブなんて古臭いとは言わないでね。キャブ仕様の「ガヴォ〜・シャ〜ン・ガヴォ〜・シャ〜ン」ていうサウンドはターボ車以上に迫力満点。笑)

この純正エアクリBOX・エアフィルター共、排気量があるモビリオ、スパイク、フィットVTEC1.5とフィット1.3は同一の部品が使われているので、フィット1.3にはキャパがあると思います。
(BOXカバーのみモビ、スパイクはモッコリ型)
ちなみにトップヒューエルのエアチャンバー付きエアクリやベルノ東海のBOX付きはキノコタイプですが非常に興味があります。
熱対策とフレッシュエア導入ならキノコタイプですがいいかも。

ということでちょっとオタクっぽくなってしまいましたが、部品代も安いので気軽にお試しができる流用パーツを使ってイジってみました。
あかんかったら戻しゃ〜いいだけですから。(笑)

  • 材料
モビ・フィットコンボBOX。

フィット1.5用
エアーインテークラバー :17250-PWA-J00
エアーインテークチューブ :17243-PWC-000

モビリオ・スパイク用
エアクリカバー :17210-PYD-000

注)部番は要確認。

  • 取り付け
ベロと盲腸。

左がうっとこのフィットに付いていたパーツで右が1.5用。

ラバーの形状にベロが追加になっています。
パイプの盲腸の形は全然違いますね。
これで体感上変化があるかどうかわかりませんが、興味本位で交換します。
盲腸付きパイプの向きは画像の通り、左がわがエアクリBOX側になります。

初めから塞いどいてほしいなぁ。

以前はここの穴をふさいでいましたが、ベロ付きラバーに交換。

恐らく吸気にできるだけエンジンルーム内の熱を吸わさないようにとの配慮でしょう。

”J”はジャパ〜ンでしょうか。(笑)

ポン付けです。
ちょっとラバーは堅いですが、ちゃんと溝がありますのでフレームにしっかり密着。

この部品は現在のフィット1.3にも装着されていると聞きました。

なんだろねぇ。

エアーインテークチューブもポン付け。

サービスマンにもこの形が必要なのか、もしくは盲腸自体が必要なのか聞きましたが、なんだろうと言っていました。(笑)
開発者じゃないと分からないですね。

(後日判明。吸気音の消音らしいです。)

この2個のパーツを取り付けただけで、約500キロほど走りました。
フィット1.5とまったく同じ吸気系です。

高速・街中・渋滞と走行しましたが、私には変化が体感できませんでした。
ま、とりあえず悪くはなっていないのでこのままいきます。(笑)

モビ・スパイクカバー。

モビリオ(i-DSI 1.5)・スパイク(i-VTEC 1.5)共通エアクリカバー。
手前がフィット1.3・1.5共通のカバーです。

モビ・スパイクはかなりモッコリしていますね。
クルマの性格の違いで低速トルクを稼ぐための工夫かもしれませんが・・・。

今はやりのコンボっす。

モビリオ・スパイク・フィット1.5のコンボエアインダクション完成。(笑)

さて、カバー装着後のインプレですが。

うむむ〜。
街中・高速など装着後いろいろ走りましたが良くはなっていないですね。(笑)
変化無しか悪いかのどちらかだと思います。
こればっかりはシビアに”感じ”の変化を掴もうとしましたが、まったくもって分かりませんでした。
もうしばらくは興味本位で装着しますが、もしかするとカバーだけは元に戻すかもしれません。

後日・・・。
インテークラバーとインテークチューブはそのままモッコリカバーはノーマルに戻してしまいました。
どうも微妙なアクセルレスポンスが悪くなったような”気”がしたので。

  • 番外編その一
エアーフィルター
前期型はヘロヘロ。

17000キロ走行後のエアーフィルター。

純正を注文するとモビ・スパイク・フィット1.5・1.3共通のこのブルーのエアフィルターがきました。
サイドについ立が追加になっていますね。

食事中のアップは避けた方が・・・。

外気導入口に近い場所は特に汚れていました。
っていうか山盛りです。(笑)

これを見ると、やはり集塵能力の高いコットンタイプの純正でよかったと思います。
ステンレスメッシュタイプやスポンジタイプは吸気抵抗が少ないかわりに目が粗いので、集塵能力の面ではとっても心配。
微小の砂を吸ったらシリンダー内ガリガリですからね。

  • 番外編そのニ
スロットルワイヤー
これはお勧め。(笑)

スロットルワイヤーの調整です。

最近、アクセルペダルがパコパコして遊びが多いなぁと思っていました。
きっちり調節すると踏みなおしを頻繁にする通常走行でのアクセル・レスポンス(というのかな。踏む瞬間のレスポンス。)がみごとにアップ。
このような調整はメンテナンスの基本中の基本ですが、すっかり忘れていたので盲点でした。(笑)

 

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