Tail-Light Full LED specification

Full LED 仕様 テールランプ

外部から一目でわかるインパクトの強い、また電気自動車FITはこんなテールが付いているだろうということで作ってみました。

フロントウィンカーのLED化をしていたら必然的に今度はリアだろうということで漠然と考えていましたが、まさかここまでコストがかかるとは思ってもいませんでした。
やはりちりも積もれば山となるという通り、LEDの値段がまだまだ高いと実感できるDIYです。(笑)

注)
このDIYは重要な指示器に手を加えるものであり、自分のみならず第3者を十分に巻き込む恐れがあります。
施工される場合は最低でも車検に記述がある範囲から十二分に指示確認できる状態であるか等、専門家の確認も必要です。

  • 材料
材料。なんしかいっぱい。

5mm径(5ハイ)LED : 黄色 13000mcd
10mm径(10パイ)LED : 白色 7000mcd ・赤色 15000mcd
10mA定電流ダイオード(CRD)定格20mA流すため。
各種たくさん必要。
ユニバーサル基盤 ・整流ダイオード 8個 ・抵抗等。

以前、フロントウィンカーを燈色LEDで製作しましたが、赤に近い燈色でしたので、今回は黄色LEDを使用。
純黄色ではなく、オレンジがかっています。よりウィンカー球に近い色でした。

    クルマでLEDを複数点灯させるやり方は、

    1:抵抗
    2:定電流ダイオード(CRD)
    3:3端子レギュレーター
    とメジャーな各々の方法があります。

    抵抗はLEDの定格電圧まで下げるために使います。
    定電流ダイオードはLEDの定格電流分だけ電流を流してやるために使用します。
    3端子レギュレーターは安定した電圧を確保するために使用します。

    それぞれ独立した使い方もありますし、組み合わせて使用することもあります。

    個別の使い方の中で、
    一番コストが安いのは「抵抗仕様」
    一番コストが高いのは「定電流ダイオード(CRD)仕様」
    一番安定した光を確保できるのは「定電流ダイオード仕様」「3端子レギュレーター仕様」
    一番使いやすいのは「抵抗仕様」「定電流ダイオード仕様」
    一番使いずらいのは「3端子レギュレーター仕様」

    クルマのバッテリー電圧はオルタネーターが作動している場合は充電されるので12Vより高め(Fitは14V近辺)ですが、エアコンやヘッドライト・ワイパーなどの電装品も可動している場合は、電圧はかなりふらふらしています。
    一定の安定した電源電圧ではありません。
    使用LEDが1個・2個と少数の場合は光が安定しているように見えますが、複数個、面で使う場合は電圧の変動によってチラツキがより一層分かります。

    「抵抗仕様」の場合は電圧の変動にダイレクトに影響します。
    これはMAXのバッテリー電圧からLEDの使用個数を計算して抵抗値を決めますが、もともと不安定な電源を安定化せずそのまま使用するためです。
    12V計算ではそれ以上の電圧が発生している場合はLEDの定格以上で駆動させてしまうことになりますし、オーバードライブをさせない場合であれば余裕をみて抵抗値の大きい抵抗を使用することになりますので、LEDの定格駆動時の明るさ(○○mcd)が確保できません。
    また、今回使用している赤LEDは電圧が定格より0.2V上昇しただけで定格電流20mAの倍の約40mA流れてしまいます。(最大電流50mA)
    赤系のLEDは青や白などよりも電流を流しやすい性質があります。
    LEDの寿命を考えると定格を超えるのはよくないです。
    が、シビアに明るさの必要のない場所に使うのであればコストと使いやすさでは圧倒的にこちらの方が有利です。

    「定電流ダイオード(CRD)仕様」の場合は使用LEDの定格電流分、例えば20mAなら10mACRDを並列で20mAですので、それ以上の電流が流れることはありません。(誤差はかなりありますが。)
    ですのでLED1個のときでも、直列で複数使うときでも20mAしか流しませんのでポン付けでいけます。
    (抵抗を使用する場合はオームの法則で抵抗値計算が必要ですが、こちらはそれが必要ないのでもっと使いやすいかも。)
    また、CRD自体に3.5V(10mACRDの場合)以上の電圧がかかっている場合は出力電流は一定ですが、それ以下の場合は電圧変動に影響します。(詳しくは石塚電子ページで。)
    ですからバッテリー電圧がMAX(14V近辺)よりも一応の12V以下になるようにLEDとCRDを計算して使う方が安定します。

    「3端子レギュレーター仕様」の場合はクルマでは12V出力のレギュレーターを使用しますが(例外あり。)、その場合は入力電圧が最低でも14Vほど必要です。
    かなりの電圧変動(11V〜35V)でもクルマでの使用ではほとんど無視できるほどの安定した12Vが出力されます。
    ただこちらも入力電圧が12Vを下回ったときは12Vを出力できません。ですのでそのときはふらつくでしょう。
    また、レギュレーターは熱を持ちますので、放熱のためにヒートシンク装着が不可欠となりますし、限られたスペース内に収める場合は取り回しが大変でしょう。
    コストは抵抗に次いでお安めですが、レギュレター本体のみで使用するのではないので電気的知識も必要です。

    <各種ポン橋参考価格>
    抵抗 :1個 5円。系統毎に必要。
    定電流ダイオード :1個 120円。系統毎に必要。
    3端子レギュレーター :1個 300円+α。大元だけに必要。

    などなどややこしいことを書きましたが、手っ取り早く難しい接続方法や電気的な知識もほとんど必要のない安定した光を確保するということで、コストはかかりますが今までの定番の定電流ダイオード(CRD)を使います。

    定電流ダイオード(CRD)はLEDのプラス側・マイナス側、どちらに接続してもOKです。

  • ブレーキ・スモールランプ回路
ブレーキランプの回路。

ブレーキランプと夜間のスモールランプを同一LEDで明るさを切り替えます。

スモールランプラインとダイオードの間に入れる「抵抗」でLEDに掛かる電圧を抑えてスモールランプの暗い光をLEDで表現させます。
私は「可変抵抗」仕様にしました。
ボリュームでスモールランプ時の明るさを調整できるため。
(決してバックフォグ化もできる仕様の為じゃないですよ。笑)

  • 製作
テール分解1。

テールランプASSYを分解。
新品 片側 8500円です。

矢印の2箇所にへこみが特殊な形のタッピングビスがあります。
あとはツメが数箇所あります。
シール剤は常温では堅いので暖めないと難しいでしょう。
ヘッドライトASSY分解と比べると格段に困難です。

無事に分解完了。っほ。

風呂場でテールランプASSYの中に熱湯を入れ数分放置後、マイナスドライバーでこじっていきました。

1度、購入したてをあと少しというところで割ってしまっています。
2度目はさすがにコツが分かったので無難にすこしづつ。
それでも片側15分くらいかかりました。
一番緊張する難しい作業でした。

型紙製作。

基板切り出しの為に型紙を作ります。

ブレーキ灯のところは特に取り付け角度を調整する必要があります。
レンズ側のレンズカットは上下に光が分散しますが、左右にはあまり分散しません。フロントウィンカーのレンズカットは左右に分散します。
ちゃんと下部点灯も作りました。(笑)

注)

ベースの銀色塗装は非常にキズが付きやすいです。
また、手油がつくと非常に厄介です。すぐに曇ってしまいます。
修正はできないでしょう。

私は1個失敗しているテールがあったのでそれで型紙製作や基板の切り出しをしましたが、なければ微妙な調整は難しいでしょう。
まあ、キズが付いてもメッキ仕様など全塗装すれば問題なし。

アッパーブレーキ燈 部品面。

上部のブレーキ灯です。

基板に鏡面カッティングシートを貼っています。
ハンズで購入。導通はありません。

定格 1.9V 20mA 赤色10パイLED :36発
10mA定電流ダイオード(CRD) :18個

アッパーブレーキ燈 ハンダ面。

LED 4個に並列10mA CRDを直列接続。
これを9系統です。
整流ダイオードの電圧降下が0.6〜0.7Vありますので、
1系統 :1.9v(LED)+1.9v+1.9v+1.9v+3.5v(CRD)+0.7v(整D)=11.8v。
12V以内に収めるほうが光が安定しています。

また、ブレーキ灯はスモール時には抵抗でも電流制限していますので、全ての系統が同一個数のLEDで電圧統一。
でないと1系統のみ明るいということになってしまいます。

ロアーブレーキ燈 部品面。

下部のブレーキ灯です。

定格 1.9V 20mA 赤色10パイLED :40発
10mA定電流ダイオード(CRD) :20個

ノーマルフィットではこの下部は使用されていませんが、すぽ〜ん氏考案フィットDIY定番の「下部点灯」をこのFull LED 仕様でも。

ロアーブレーキ燈 ハンダ面。

上部ブレーキ灯と同じです。

10系統仕様。

バックライト 部品面。

バックライトです。

定格 3.5V 20mA 白色10パイLED :20発
10mA定電流ダイオード(CRD):20個

バックライト ハンダ面。

LED 2個に並列10mA CRDを直列接続。
これを10系統です。
1系統 :3.5v(LED)+3.5v+3.5v(CRD)=10.5v。

ウィンカー 部品面。

ウィンカーです。

ウィンカー部は鏡面じゃない方がよかったです。
つや消し黒がLED光の視認性には優れていました。
鏡面だと直射日光が当たるとLEDの光と日光が混じって見難かったです。(外部からLED丸見えフィットの場合。)

定格 1.9V 20mA 黄色5ハイLED :51発
10mA定電流ダイオード(CRD) :26個

ウィンカー ハンダ面。

LED 4個に並列10mA CRDを直列接続。
これを13系統です。
1系統 :1.9v(LED)+1.9v+1.9v+1.9v+3.5v(CRD)=11.1v。
うち1系統はLED 3個にCRDです。

電圧の均等化で52発にしたかったんですが、ウィンカー部は外部からLEDが丸見えのため配置の美しさも必要でしょう。(笑)
意地でも均等化したい場合は少ない系統に隠しLEDを基板裏に接続してやればいいでしょう。

ウィンカー部は10パイよりも「面で光らす。」というLED定義?の観点から5ハイを選びました。
また、フィットのテールはウィンカー部にレンズカットがない電球剥き出し仕様なので、光の拡散ができません。
ここ一発のスポットライト的な使い方では10パイの方が明るいですが、その分指向特性(角度)が狭いです。

使用5ハイLEDは7°と指向特性が狭いですが、数多く密集して配置することにより『面』で発光させます。
ちなみに13000mcdです。同メーカーの10パイは23000mcd。

黄色は赤やオレンジよりも明るく感じます。
人間の目で認識しやすい色だからでしょうか。
白も7000mcdと数値だけみるとそうでもないような感じですが、直に見るとかなり明るいです。

5ハイ仕様は密集させて配置することにより、10パイ仕様より遥かにパターン設計が難しくなります。
久しぶりに本気モードで設計してしまいました。(単純ですが片面のピン0一筆は難しい〜。)
また、消費電力とコストも5ハイ仕様の方が高いです。
外からの見た目は10パイの方が迫力あります。(最後までどっちにするか悩みました・・・。)

各基板裏にクリアを吹いて錆びどめを施しました。
テールASSYの中は結構湿気がありますので。

プラグ。

ノーマル電球のソケットに刺せるように基板でプラグを作成。
ノーマル電球を改造して作ってもいいかもしれませんね。

プラグの抜き差しでテールランプASSYごと交換すればすぐにノーマルに戻せます。

困ったときのスーパーX。

テールランプASSYへのLED基板組み込みにはショックに強い弾性接着剤を使用。(400円)

耐熱・耐水・耐ショックです。
困ったときのス〜パ〜X。

収納。

テールランプサイドにカーボン柄カッティングシートを貼ってみました。(何かしたかったので。)

我ながらイカツイですねぇ。
電気自動車フィットはこんなテールが付いてるかも。

完成。

最終の点灯チェックをして内部のほこりをはたいてレンズを装着。

市販のシール剤を一応用意していたのですが、ベースに付いているシール剤をそのまま再利用。
ドライヤーで暖めて密着。くどいほどやりました。
水が内部に侵入するかもしれないと思いましたが今のところ大丈夫です。(3年半経過、曇りもなくまったく問題なし。)
万が一、再度分解が必要なときに上記方法で分解できるため。(したくないですが・・・。最悪は再びお湯にどっぷり。)

裏側。

ASSYの裏側です。

中央の2個のボリュームで上下のスモール時の明るさを調節できるようにしました。
10KのBタイプ可変抵抗です。
湿気バリバリの場所ですから対策は講じないとね。

実際に目でどのくらいの明るさがいいか屋外で確認しなければ抵抗値を決められませんでした。
抵抗値が確定していれば基板上に配置すればいいです。

装着ぅ〜。

完成〜。

なかなかインパクトがありますねぇ。
レンズカットがないことが逆に功を奏しています。
フィットっていいなぁ。
他の車種では外部から分からないですからね。
ウィンカー部のベースの黒がアンバランスですがワンポイントでなかなかイケテルのでは。
ん〜。我ながらベタ惚れです。(笑)

 

スモール。

スモールランプ。
ボリュームで明るさを調整しました。こんなもんかなぁ。

ブレーキランプ。

ブレーキランプ。
実際見ると真っ赤です。

ウィンカー。

ウィンカーランプ。
オレンジイエローですね。
ウィンカー球はさらに黄色っぽい。

バックランプ。

バックランプ。
真っ白ですね。
.

耐久試験はこれから。

アップで見るとツブツブが見えます。

でもこのうち1つでも壊れると同時に3個は消灯してしまうので、いつまで無事でいてくれることでしょうか。(笑)
本当の耐久試験がこれから始まります。

今回使用したLEDの中で、ウィンカー部に使用しているLEDは1ヶ月に1000個しかメーカーが作っていないそうです。(02/05/29現在。新商品TLYH20TP)
しかも合計1000個の受注が貯まったら作るそうなので1個でも足らなかったら最低1ヶ月先にのびのびです。

製作突入1ヶ月、試作・失敗・試作・失敗でかなりの金額を投資してしまいました。
でも私にとってお袋FITのDIYネタ集大成でしたのでこの完成は大満足。

ちなみにテール部のノーマル電球の消費電力合計188W(下部点灯含む。)がフルLED化で20.16Wです。
(単純に左右テール合計の定格での計算です。)

*LED化に伴うウィンカーのハイフラッシャー対策DIYはこちらへ。

「ノーマル電球・LEDウィンカー対応、Blink Interval Adjustable Flasher Relay」


テールFULL LED化されているサイト
Maki & Teru's Playground TOYOTA dB乗りのMakiさん・Teruさんの”Maki & Teru's Playground”

 

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