クルマでLEDを複数点灯させるやり方は、
1:抵抗
2:定電流ダイオード(CRD)
3:3端子レギュレーター
とメジャーな各々の方法があります。
抵抗はLEDの定格電圧まで下げるために使います。
定電流ダイオードはLEDの定格電流分だけ電流を流してやるために使用します。
3端子レギュレーターは安定した電圧を確保するために使用します。
それぞれ独立した使い方もありますし、組み合わせて使用することもあります。
個別の使い方の中で、
一番コストが安いのは「抵抗仕様」。
一番コストが高いのは「定電流ダイオード(CRD)仕様」。
一番安定した光を確保できるのは「定電流ダイオード仕様」と「3端子レギュレーター仕様」。
一番使いやすいのは「抵抗仕様」と「定電流ダイオード仕様」。
一番使いずらいのは「3端子レギュレーター仕様」。
クルマのバッテリー電圧はオルタネーターが作動している場合は充電されるので12Vより高め(Fitは14V近辺)ですが、エアコンやヘッドライト・ワイパーなどの電装品も可動している場合は、電圧はかなりふらふらしています。
一定の安定した電源電圧ではありません。
使用LEDが1個・2個と少数の場合は光が安定しているように見えますが、複数個、面で使う場合は電圧の変動によってチラツキがより一層分かります。
「抵抗仕様」の場合は電圧の変動にダイレクトに影響します。
これはMAXのバッテリー電圧からLEDの使用個数を計算して抵抗値を決めますが、もともと不安定な電源を安定化せずそのまま使用するためです。
12V計算ではそれ以上の電圧が発生している場合はLEDの定格以上で駆動させてしまうことになりますし、オーバードライブをさせない場合であれば余裕をみて抵抗値の大きい抵抗を使用することになりますので、LEDの定格駆動時の明るさ(○○mcd)が確保できません。
また、今回使用している赤LEDは電圧が定格より0.2V上昇しただけで定格電流20mAの倍の約40mA流れてしまいます。(最大電流50mA)
赤系のLEDは青や白などよりも電流を流しやすい性質があります。
LEDの寿命を考えると定格を超えるのはよくないです。
が、シビアに明るさの必要のない場所に使うのであればコストと使いやすさでは圧倒的にこちらの方が有利です。
「定電流ダイオード(CRD)仕様」の場合は使用LEDの定格電流分、例えば20mAなら10mACRDを並列で20mAですので、それ以上の電流が流れることはありません。(誤差はかなりありますが。)
ですのでLED1個のときでも、直列で複数使うときでも20mAしか流しませんのでポン付けでいけます。
(抵抗を使用する場合はオームの法則で抵抗値計算が必要ですが、こちらはそれが必要ないのでもっと使いやすいかも。)
また、CRD自体に3.5V(10mACRDの場合)以上の電圧がかかっている場合は出力電流は一定ですが、それ以下の場合は電圧変動に影響します。(詳しくは石塚電子ページで。)
ですからバッテリー電圧がMAX(14V近辺)よりも一応の12V以下になるようにLEDとCRDを計算して使う方が安定します。
「3端子レギュレーター仕様」の場合はクルマでは12V出力のレギュレーターを使用しますが(例外あり。)、その場合は入力電圧が最低でも14Vほど必要です。
かなりの電圧変動(11V〜35V)でもクルマでの使用ではほとんど無視できるほどの安定した12Vが出力されます。
ただこちらも入力電圧が12Vを下回ったときは12Vを出力できません。ですのでそのときはふらつくでしょう。
また、レギュレーターは熱を持ちますので、放熱のためにヒートシンク装着が不可欠となりますし、限られたスペース内に収める場合は取り回しが大変でしょう。
コストは抵抗に次いでお安めですが、レギュレター本体のみで使用するのではないので電気的知識も必要です。
<各種ポン橋参考価格>
抵抗 :1個 5円。系統毎に必要。
定電流ダイオード :1個 120円。系統毎に必要。
3端子レギュレーター :1個 300円+α。大元だけに必要。
などなどややこしいことを書きましたが、手っ取り早く難しい接続方法や電気的な知識もほとんど必要のない安定した光を確保するということで、コストはかかりますが今までの定番の定電流ダイオード(CRD)を使います。
定電流ダイオード(CRD)はLEDのプラス側・マイナス側、どちらに接続してもOKです。