Brakes

Brakes

リアがドラムといえど前後のパッドorシューを交換するというのが私の今までの経験でしたので、フロントだけ交換というのにはちょっと抵抗がありましたがリリースされてなければしかたがない。
ガンガン走るクルマではなく前後ブレーキバランスがシビアに必要としないということで、エンドレスもフィットではフロントだけで十分と判断したのでしょう。
(昔、ニッサン・パオでもSSSとは違いますがエンドレスから前後ペアリリースされていたんですが・・・。)

  • 取り付け
SSS

ENDLESSのSuper Street Sports(SSS)
ローター適正温度域 0〜500℃

いつになったらフィットの名前が載るのでしょうか。
それにしても各車かなり古い年式ですね。
パットが共通ということは1.3FFのフィットのキャリパー、進化無しの年代物ということなのか?。

猿でもできる級。

矢印の箇所のボルトを1本外すし、キャリパーを持ち上げます。

パッドが剥き出しになりますので交換するだけ。

えらいチビッてしもた。

23000キロ走行後のノーマルパッドとSSSの比較。
手前はナビ側キャリパーのピストン側に取り付けられていたパッドです。センターの溝がなくなっていました。
均等には力がかかっていない証拠です。
運転席側のパッドは両方とも均等に減っていました。

ノーマルパッドに取り付けられている地金を交換するパッドに付け替えましょう。
ブレーキクリーナーで綺麗にしてから泣き止めのグリスを再塗布してやればいいです。

引っ込めるのはちょっと硬いよ。

パットが減ったぶんピストンが飛び出していますので、引っ込めてやらなければいけません。
専用工具が販売されていますが、わざわざ購入するのもなんですから私は力技で押し込めました。(笑)

ウォーターポンププライヤー等で挟んで引っ込めてもいいですが、その際古いパットを当て板がわりに挟んでピストンにキズが付かないように慎重に。

装着後、レコード盤状のローター面とパットの”あたり”がでるまでは速度は控えめ。
ストップ&ゴーの多い街中でだいたい300キロほど走るとパットの”あたり” が出てきました。
いわゆるパットの”慣らし”ですね。

装着後1000キロほど走った感想です。
ローター温度の低い街中走行の初期制動はノーマルパットとさほど変わらない感じでした。
スーパー・ストリート・スポーツというネーミングの通りです。
完全なスポーツパットではローターがパットの適正温度域に達するまでは”ゴーゴー”言って止まりませんから街中ではきついでしょう。

少し元気目に走るときのブレーキフィーリングは、ノーマルパットでは踏み込んだ”奥”で”ツーッ”と滑る感じでブレーキの頼りなさがありましたが、SSSでは踏み込む力に応じて”ググッ”っと効く感じです。
(ノーマルパットは街乗り程度でも4人乗車時は神経使いましたから。)
微妙な力加減に応じて減速Gが変化しますのでブレーキコントロールはノーマルより遥かにいいです。
また、ノーマルパットではハードブレーキング時に変な”ニホイ”がすると、それ以降しばらくはブレーキを踏み込んでも効きが極端に悪くなりました。
(ゼロ・ヨンのトップスピードから停止するまでABSが効くほど踏み込むと、1回で変なニホイがします。笑)
表面の焼けた皮が剥がれると効きが復活しますが、それまでは怖い・・・。
SSSでは同じくらいのハードブレーキングでもタッチやフィーリング・効きは変わりませんでした。


この後、「第1回 FFC関西 ドライビングフェスタ 2003 in セントラルサーキット」がありましたのでサーキットを走ってきました。

さすがにハードなサーキット走行ではSSSはキツイです。
ローター適正温度域が0〜500度というスペックを持っていますが、フリー走行の数周目くらいからは”ガツン”と踏み込むと少しジャダーが発生していました。
実際のローター適正温度域はもしかすると400度くらいまでという感じ。
500度というローター温度はかなり高い数値だそうです。
フィットは車重が軽いのでここまではなかなか上がらないだろうということでした。
(サーキット関係者談)

その後、数周続けて走りましたが、沸点温度の低いノーマルブレーキ・フルード(DOT3)が案の定逝ってしまいました。(サーキットでポンピング・ブレーキでした。笑)
ですのでサーキットでのパットのインプレは不完全燃焼ですが・・・。
(コースアウト後、ピットに戻ると煙が立ち昇っていました。ノーマルパットの人はモクモクと出ていたそうです。)

当然ですがスポーツ走行をされる方はパットとDOT4あたりの沸点温度の高いブレーキフルードをペアで交換された方がいいです。


DELPHI Lockheed Brake Rotor & TRUST Super DOT4 Brake Fluid

DELPHI Lockheed(旧AP Lockheed)製の6本スリットローターです。
ひょんなことから”焼き入れ済み”が手に入りました。

TRUST Super DOT4 ブレーキフルード。
セントラル・サーキットで当然ですがメーカー標準フルードが逝ってしまいましたので交換です。

ブレーキローター
Slit Rotor

スリットはしっかり外周まで入っています。
ブレーキ ダストをスリットで掻きだすことによりパット表面をクリーンに保つことができます。
重量級のハイパワー車種によってはスリットが外周まで入っていることにより、超ハードなサーキット走行には不向きな場合も。
その意味合いも含めてalcon等、スリットの外周寸止めローターも多いです。
軽量フィットではそういう心配はないでしょうね。
それより外周まで入っていることによるダストの排出の方がメリットが大きいかな。(心情的に。)

メーカーによってスリットの向きが違います。
このメーカーのローターは逆目。

ローターは消耗品。

25000キロ&サーキット走行使用後のノーマルローター。

ローター表面はレコード盤状のスジ入りでした。
溝の一番深いところでは0.8mmほど磨耗しています。
ディスク表面にはヒートクラック等は見当たらないので、ぼちぼち健康なローターかな。

ブレーキフルード
Brake Fluid

手前が今回入れた「TRUST Super DOT4」。
奥は以前私のクルマに入れてた「APのSuper DOT4」。

米国自動車安全基準の「FMVSS No.116」のDOT4規格を大幅に上回るドライ沸点318℃・ウエット沸点210℃の性能があります。
DOT〜の規格ではJIS規格でもそれぞれ定められています。

ちょこっとブレーキフル〜ドうんちく。

規格
ドライ沸点
ウェット沸点
DOT3
205℃以上
140℃以上
DOT4
230℃以上
155℃以上
DOT5
260℃以上
180℃以上

ドライ沸点:ブレーキフルードに水分を一切含んでいない含水量0%時のフルードの沸点。
ウェット沸点:含水量3.5%時の沸点。

ドライ沸点はフルードに水分が一切ない状態の沸点ですが、フルード交換時に大気と接触し、なおかつブレーキ・リザーバータンク内でも常時大気と接触していますので、フルードの持っている高い吸湿性によって交換半年後には3%前後水分を吸収してしまいます。
時間が経つごとに含水量は増えていきますので、現実的にはウェット沸点を参考にした方がいいでしょう。

フルードの沸点低下で起こる不具合とは教習所でも習う”ペーパーロック現象”です。
ブレーキング時の摩擦熱がパット・キャリパーを介してフルードにも伝わります。
低くなった沸騰点に達するとフルード内に気泡が発生し、一旦発生した気泡は逃げ場がないのでブレーキ油圧機構内に残留し続けます。
次にペダルを踏んでもフルードが気泡を押し縮めるだけで極端な場合はペダルを床まで踏みこんでもブレーキが効かないということになります。

ブレーキフルードはDOT3・4・5.1の非鉱油系(グレコール系)とDOT5のシリコン系があります。
ちょっと前まではサーキット等のハードブレーキングを繰り返すような走りにはシリコン系のDOT5を選択する場合もありましたが、現在では非鉱油系のフルードの性能が著しく向上していますので、気軽に街乗りからサーキットまでということで非鉱油系が主流です。

非鉱油系(グレコール)とシリコン系は混ぜると化学反応でブレーキラインやキャリパーピストンのシーリング、マスターシリンダー等に使用されているゴム製品の劣化を早めるので上記の2種類のフルード液の混合は要注意。
ま、通常はレース専用車両以外は非鉱油系のフルードを使用していると思いますし、ましてディーラーでは通常交換であればDOT〜を指定しても非鉱油系でしょう。


ノーマルローターのレコード盤状のローター表面に対して”あたり” が出ていたパットをスリットローターへの”あたり”になるまでは速度は控えましょう。
いきなり飛ばしたら止まりませんよ〜。

パットのあたりがでたところでスリット・ローターのインプレですが、通常の街乗り程度の軽いブレーキングではノーマル・ローターとさほど変化なし。
スリットによるはっきりとした効果を体感したければスポーツ走行やサーキット走行などハードブレーキングを繰り返す走行をしなければ分かりにくいかもしれません。

ブレーキング時のローターとパットの間に挟まれるパットカスをスリットで速やかに排除し、パット表面がいつもクリーンでパット本来の性能を引き出していますのでハードブレーキング時は特に”奥”での効きがよりいっそう”ググッ!”っときます。
ただし、ペダルを強めに踏むと奥で”グッグッグッ!。”というスリットがパット表面を掻いている感触が微妙にペダルに伝わってきますので、ファッションとしてのスリットローター装着ならこの感触を不快に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ノーマルパット・ノーマルローターのころと比べると格段にブレーキに対する安心感があります。
実際に強く踏めば踏んだ分だけノーマルパット&ノーマルローター以上に減速Gが体感できるので、これは街乗り程度でもいざというときには安心して”止まれる”という心理的効果も大幅アップですね。

あとはステンメッシュ・ブレーキラインやマスターシリンダーストッパーまで装着するとノーマル前提では最高でしょう。
これ以上はノーマルより一回り大きいキャリパーやローターへのステップアップがあります。
ローターとホイルの隙間が気になる方、さらなるブレーキ強化が必要な超ハードなスポーツ走行好きの方、ポン付け可能他車種用4ポットキャリパーいっとく?。(笑)

 

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