LS Extra

LS Extra
メカチューンの初歩ですが、とうとうエンジンに手を加えてしまいました。

ラストステーションがリリースしている「LS Extra」を装着。
フルノーマルからだと実測で25馬力もパワーが上がる商品です。
お袋フィットはハイオク仕様のサブコンとノーマル並の静かさのAbt製 VW Lupo用改マフラー仕様からのステップアップです。

ステップアップの内容は、
LSオリジナルフロントパイプ・オリジナルカムシャフト・専用データ(現車合わせのセッティング)です。
もちろんカム交換に伴う各種調整やセッティングなどに付随する作業も含まれます。

キットのメインパーツでもあるオリジナルカムシャフトはいわゆるハイリフトカムシャフトです。
ハイカムとは単純に言うと吸気・排気のガスの流れの効率をノーマルからさらに高めるためにバルブの開く量を大きくしたり開いている時間を長くしたりするカムシャフトのことです。

ちょっとマニアックな説明になってしまいますが、エンジン本体にはカム交換以外にはまったく手を加える必要がなくノーマルカムスプロケットにも対応できるようにリフト量よりも作用角を広くし、給気・排気バルブのオーバーラップをノーマルより大きくとっています。
若干リフト量も上がっているそうですが、これ以上あげてしまうとバルブがピストンを突いてしまうためカムのポン付けだけでは収まりません。
エンジンヘッドやピストン加工、カムスプロケや強化バルブスプリングへの交換等が必要になってくるカリカリのメカチューンの域に達してしまう寸前のカムの仕様です。
もちろんフィットというスポーツカーじゃない性格を考慮しアイドリングは穏やかに、そして低速からモリモリトルクが上がりそのまま高回転まできっちり回るようにカムシャフトの”三角おむすび山”の設計がなされています。
おっさんの域に十分達している元カリカリチューンド乗りだった方は、いたってノーマル然と”素”で乗れるチューンのありがたさがよくわかると思います。(笑)

  • 作業風景
シャシダイ似合わん!。

LS Extra を組み込む直前にパワーチェックしました。
一目瞭然とわかるシャシダイデータとしてどれだけ違いが出るかということを知りたくて。(笑)

ハイオク仕様サブコン+Abt Lupo用改かわいいマフラー+アーシング仕様のみで以前(カーロード誌フィットサブコン特集2003、1月号)と同じ実測93馬力でした。
(1.3フィット)

ノーマルエンジン。

意味のない画像ですが、変更前ということで。
エアクリはフルノーマル(カバーもモビ用じゃなくノーマルに戻しています。こっちの方がなんとなくですがアクセルを踏み込んだ瞬間のレスポンスがよかったので。)
アーシングもサイト上には載せていないですが4ゲージを1本、室内へ引き込んでいます。
アーシングのコンテンツにも書いていますがフィットにはアーシングの効果は・・・ここまでくると今となっては気分の問題でしょう。がっはっはっ(笑)。でもやってて悪くはないですよ。こういう”気持ち”も感情の動物・人間ですから結構重要っす。

エアクリBOX。

さぁ〜。
作業に邪魔な部品をどんどんバラしていきます。

エアクリBOXの裏側です。
グル〜っと回ります。
スロットルまでの通過工程が長いです。
ホンダエンジンは特に重要な吸気の流れ。
きっちり設計されているのでターボ組んだりカリカリのメカチューン以外は吸気にあまり手を付けない方がいいです。

エアーインテークマニーホールド。

サージタンク一体型インテークマニーホールド。

緑の液体はインマニをひっくり返したときにこぼれた冷却水(クーラント)。
聞くところによるとスロットルボディーの底に冷却水が入っており、エンジンが冷えているときにアイドリングを上げるための温度検出をここでしているそうです。
チョークのための温度検出もラジエターからだけだと思ってました。

インジェクター。

インジェクター。

ここから燃料ポンプで圧送されたガソリンが霧状に噴出され、吸入空気と混合されてからシリンダー内へ入ります。
ず〜っと噴出されているのではなく、ECUからの噴出信号を受け、「出る・止まる」を瞬間的に繰り返しています。
耳を近づけるとインジェクターの電磁弁が動いている「カチカチカチ」という音がアイドリングでほんのわずかに聞こえると思います。

邪魔な物とっぱらい。

インマニやインジェクターなど外された状態。

ここまでバラして初めてカム交換ができます。
ショップの人が言っていましたが、フィットはエンジン開けるまでがかなりめんどくさいといっていました。

バッテリー置きの台座まで外さないと作業性が悪くて無理っぽいんですよ。

  • ちょっと一服、番外編その1。
スロット・小細工。

外されたインマニをイジくっていたときに気が付いたんですが、スロットルが全開状態でも中のバタフライが微妙に水平じゃないことを発見してしまいました。
他のフィットはどうかわかりませんが、この全開時でも微妙に斜め向いているバタフライが気になったので、少しでもパワ〜を稼ぎたいという”気持ち”(笑)からDIYしました。

こういう簡単でちょこっとしたの大好きなんです。(笑)

削れや削れ。

バタフライ全開時のストッパー部分のアルミを削ります。

目測で、
「んん〜。これぐらいで水平かなぁ〜。」
「もうちょっといっとこかな。」 ってな感じでシコシコと。

バタフライを水平にしてもバタフライのセンターを通ってる”軸”が太いので意味ないかもしれませんがやってて損はなし。
気持ち3馬力アップだぁ〜。(爆)

  • 作業風景続き

エンジンが冷えてきたのでいよいよ取り掛かります。
熱いままバラすと火傷の恐れ以前に各エンジンパーツが歪む可能性があるとのこと。

シリンダーヘッドカバーの裏側。
表側はだれでも見てますもんね。

これを外すとようやくロッカーアームが顔を出します。

カバー外され丸裸!。

やっとこ顔を出したロッカーアームASSY部。

1本のシャフトに吸気側・排気側のロッカーアームが8個。
このシャフトの真下にカムシャフトがあります。

ロッカーアームASSY。

5本のボルトで留まっているだけですが、私の技術ではイジるの怖いです。

均等のトルクで固定された一直線上に並ぶボルトを緩める順番もありますので、みようみまねではエンジンバラすのはやっぱり怖いですね。

やっとこ見えたカムシャフト。

シングルカムに吸排気シングルバルブ。
典型的なSOHCエンジン。

ツインカム・ツインバルブエンジンと比べるとものすごくシンプルです。(笑)

意味なくアップ。

ダブルタイプじゃなく(ファミリーカーなので当然か。笑)シングルバルブスプリングですが、不等ピッチなんですねぇ。
巻き数が多く間隔の狭い重い側が固定され、間隔の広い側がリテーナー(スプリングを固定しているお皿)側へ向いてます。
当然リテーナー側がロッカーアームで押されるので常時上下へ動いています。
上下動する側が軽いほうがスムーズに動きますもんね。
バネ下荷重に関係する足回りにもいえますよ。

ハイカム。

上が今回交換するハイカムで、下が取り外したノーマルカム。

ぱっと見は分かりません。(爆)

  • ちょっと一服、番外編その2。

作業してもらっている「カーショップ F−1」の看板スープラ。
去年のアムクレイド・ドラッグバトルのクラス別(2WD-B)総合優勝車両です。10秒232。

ドラッグレース専用車両でリアにウェイトを載せているのでケツ下がり状態です。(笑)

仕様変更。

以前のGT3240ツインタービン仕様(ブースト2.1で実測1007ps)から国内最大級のタービンT88のシングルタービンへ仕様変更。

タービンIN側ハウジングは今回時間がなかったので鏡面仕上げできなかったとのこと。
オシャレがまだまだ気になる年頃っすねぇ。(笑)
Ex側遮熱板、画像でみるとやっぱりでかいよ。(爆)>藤○保さん。

仕様変更後の慣らしも終わりオイル交換中。

2機ある2柱リフトが埋まり、尚且つお袋フィットが作業中のため、日本一速いデモカーが店の入り口でDIY。(笑)

グゥ〜!が入るよ。

1個1000馬力対応のT88、タービンの吸入口は「グゥ〜!。」が余裕ではいる大きさです。(爆)

エキマニには耐熱バンテージ。

スポット増し。

スポット増し+リベット留めで補強しています。

強度を上げたい重要な箇所だけを選び全部で3000発超。

男の室内。

これぞ”漢(オトコ)”の室内ですねぇ。
ム〜トン&チンチラ&靴置きなんかいるけ〜。
男は黙って「ギャランデュ〜」。←「がらんどう。」・・・もしかして寒い?。(爆)

メーターはF1でも採用されているイギリスのSTACKオールインワンメーター。

alcon

質実剛健の前後alconのキャリパー&ローター。

bremboキャリパーよりがっちり効くそうです。

ホイル一杯一杯のローターって見栄えもかっこいいですねぇ。

  • 作業風景続き
若い衆がんばってね。

おっとっと。
若い衆に押さえてもらっていたまま忘れてました。(爆)

チェーン駆動のスプロケをカムを抜いている間固定しています。

交換終了。

ハイカムへ交換しました。

って見た目一緒でわかりませんね。(笑)

ロッカーアーム組み込み。

ロッカーアームASSY組み込み。

ここもしっかり規定トルクでボルトを締めます。

クリアランス調整。

ロッカーアームがバルブを突く部分のクリアランスを調整中。

イン側とアウト側でクリアランスが違うんです。
不思議ですねぇ。

ちなみに0.15と0.25に設定。

カム交換終了!。

カム交換終了!。

あとは元通りに組み付けていきます。
私ならここまでバラしたらきっとネジが余ると思います。
ってもしかしたらなくすということまでしてるかも。(爆)

さすがプロですね。
レポのためにず〜っとそばに張り付いて観察していましたが淡々とリズムにのって作業されていました。

触媒ストレ〜ト。

タコ足側と出口でパイプ径が違います。
流速を高めるための工夫だそうです。

空燃比センサー取り付けアダプター追加。

LS Extra は全て現車合わせでセッティングをしますので、フロントパイプへ空燃比センサーを取り付けます。

空燃比センサー。

空燃比センサー取り付け状態。

セッティング時だけに必要なのでガムテでペタペタ。

シャシダイセッティングの後に実走行セッティングをしますのでボディーへもガムテでしっかりと。

セッティング用空燃比計(A/F計)。

表示の値はエンジンに火をいれたばっかりで、まだセッティングを取っていませんよ。

組みあがって。

組みあがってシャシダイ上で何種類か用意しているハイカム用プログラムを使い、その中でも個体に合ったベストなプログラムからさらに個体の仕様(マフラー・その他装着パーツやエンジン個体差(走行距離を含む)など。)に合わせたベストなサブコン・プログラムへと現車セッティングで煮詰めていきます。
この後、実走行セッティングでさらに煮詰めて終了です。

 ←画像クリックで動画です。
(最終セッティング済み。LS Extra 仕様)



LS Extrs の感想ですが、「ん〜〜〜!。最っ高〜〜〜!!。」。
今までの全体のトルク・パワーがそっくりそのまま、「グンッ!」っとツーランク程かさ上げされた感じです。
低回転域からモリモリモリ〜っとトルクが立ち上がり、中回転域でグググゥ〜ときて高回転域でオオオ〜ってな感じです。(ってわかりにくいですね。笑)

低回転域(〜2500)
ゼロ発進から普通に街乗りと同じ感覚でアクセルを踏むと「ググッ!」っと背後を押された感じで「スルスルスル〜」と車体が前へ出て行きます。
燃費走行の1500回転70キロキープで走行中でも今までと同じ踏み方ならどんどん車速とエンジン回転が上がっていくのでほとんどアクセルに足を添えているだけのような感じで「トコトコトコ〜」と速度と回転をキープできます。
カム組む段階ですからはなから燃費は気にしていませんでしたが、低回転域でもしっかりトルクが太っているので今までより少ない踏みしろで走れ、街乗りの実燃費が1〜2キロ伸びたのはかなりうれしい誤算です。

中回転域(2500〜4500)
前車追い越しをかけるときやスポーツ走行時のコーナー立ち上がりなどで「ガバッ!」っと踏み込んだ時に使う回転域だと思います。
正直、この回転域が一番楽しく気に入ってしまいました。(笑)
1.3フィットの最大トルク発生回転数が2800回転ですが、 2500回転ちょい手前あたりから「ガバッ!」と踏み込むとはっきり背中がシートバックに押し付けられるのが感じ取れます。
ラストステーションのターボフィットで遊んだときに感じた、ブーストがかかって「グググゥ〜!」と加速していく感じに似ています。
背後を「ド〜〜〜ン!!」と押されているような感じ。
加速中の景色のフロントウィンドーからサイドウィンドーへ流れていくスピードが明らかに違います。

高回転域(4500〜)
トルクで車速をのせてたところから馬力でのせる回転域。
踏み込んだまま車速をのせたいとき以外はあまり使わないと思います。
フィットレベルのコンパクトカーではおもっくそ馬力使いきりの風の強い湾岸でも確実にぬをぉ〜でるようになりました。
べた踏みぬをぉ〜のままコーナー抜けると今までなら10キロほど車速が落ちていたのが5キロほど落ちるにとどまってがんばっています。
「やるなぁ〜。LS Extrs!。」と一人ニヤニヤ。(笑)

<燃費の気になる方へ。>
私の乗り方で街中を普通に乗るぶんには燃費が1〜2キロ、確実に伸びました。(リッター15キロほど。)
踏み込んで遊ぶと燃費は落ち込みましたが(ひたすら全開突入時8キロ。笑)、それに引きかえ面白いように遊べますよ。


LS Extra 組み込み前と後のシャシダイデータ。
シャシダイデータ

”黒”ラインが装着前。
”赤”ラインが装着後。
矢印の黒ラインはコワモテりゅうじさんの踏み込み失敗で関係ありません。

ピークパワーは装着前93psからあと少しで大台だぁ〜の98ps。
(出力ロス補正値含む。)

<測定条件>
(ギアホールド機能のない1.3CVT)
”D”レンジでキックダウンを起こさないようにギリギリで「ジワァ〜」っとアクセルを踏み込んでいき、最後は全開で測定。

グラフでも分かりますが、装着前と後ではグラフをずらしたかのように全体がかさ上げされています。
フルノーマルの1.3フィットは実測82馬力ほどでした。
今回お袋フィットはピークパワーの実測が98馬力でノーマルからだと16馬力アップ、ハイオク仕様のサブコンからだと5馬力アップにとどまっています。
これは装着しているノーマル並に静かだったAbt Lupo用改マフラーが高回転域では完全な糞詰まり状態に陥っていることがはっきり判明。
高回転域でのハイカムのポテンシャルを出し切れていませんでした。
(せっかくのフロントパイプで抜けをよくしても出口が詰まっていたら問題外ですね。笑)
その代わりに低・中回転域はかなりのモンで、ハイオク仕様サブコンから最大で9馬力、平均8馬力もアップしています。(1300ccですよ。びっくり!。)
カム組み込み済みの某さんとのピークパワー差が10馬力強あるので、立ち上がりの中間加速勝負に持ち込みたいと思います。(笑)

いろいろセッティングを変更してもらい、Abtマフラーにあったプログラムに書き換えてもらいましたがセッティングではここが限界。
物理的にプログラムセッティングの範疇を超えています。
ピークパワーを上げたいなら現状よりもっと抜けのいいマフラーに交換すればとアドバイスを貰いましたが、音とこだわりのスタイルのAbtマフラーが気に入っているのでこのままで。
最高速勝負ならうっとこはエアロレスというとっておきの武器がありますから。(笑)

あと、今回はプラグもあえてノーマルのままで変更しませんでした。
サーキット等のスポーツ走行をガンガンされる方には熱価を8番くらいに変更するといいそうです。
(ノーマルは5番か6番だったかな。)
熱ダレがかなり緩和されると教えてもらいました。

これで、お袋フィット「中間加速勝負!お買い物仕様NA最強1.3」の称号を頂きます。(爆)
(6○歳のお袋には内緒で組みましたが、お買い物でダイエーから帰ってきたら開口一番、「あんた、またなんかしたやろ!。」っと明らかな変化でおもっくそバレてしまいました。)


おまけ。
NOS(Nitrous Oxide Systems)タンク

NOS(Nitrous Oxide Systems)タンク。

ナイトラス・オキサイド、亜酸化窒素(N2O)っていうんですって。
別名笑気ガス。(笑)
エンジン用は吸引防止の為にくっさい二酸化硫黄を添加したナイトラス・プラス(NOS社名)です。

フィットで30馬力アップくらいかな?だそうです。
(フィットではまだいませんので。6/4現在)

 

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